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08.14.23:13

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  • 08/14/23:13

03.22.22:49

音が降る

友人からのお題4です。
題名から真っ先に浮かんだ泡潮です。けっこう短いです。

こんな時だからこそ、変わらず文を書いていきます。お付き合いいただけると嬉しく思います。

拝啓、某物語の王子様。
あなたは何様ですか?

物語の王子様って、上からだ。いつも姫の方が走り回ってるんじゃないかと思う。偶々行き着いただけでお嫁さん捕まえるなんてどうなんだといつも考える。

結局運が向いてきて、ハッピーエンドを得るのはかっこいい王子様。女の子の憧れ。野獣だって本当の姿は理想の人物。醜い姿を受け入れた姫へのご褒美だ。

なら、それと真逆な者はどうなるのだろうか。

同じ土俵に上がることさえも許されない。愛されるのは王子様一人だけなのだ。それ以外の男など、存在しない。男が好意を持ったとしても、「まぁなんておやさしいお方」で終わる。

ああ、長くなってしまった。某王子様、いや、はっきり言おう。人魚姫の王子様。お前は何様だ、と。
美しい人魚に恋されて、自分は思う存分上から声を聴いて。命ほど大切な、歌姫の名を欲しいままにした声を、犠牲までして彼女は会いに来たと言うのに、魔女に騙されて。
馬鹿で間抜けな王子様。お前は知っているだろうか。その愚かな行いで、どれだけの人が傷付き苦悩し絶望するのを。太陽のような、深い青に差し込む一筋の光のような彼女が消えてしまうことが、どれほど人の心を壊すのか。

わからないさ、下にいる者にしか。愛することも許されず、愚かな男に狂わされる愛しい人をただ見ることしかできないあの苦しみは。救えない無力感に呆然となる気持ちを。

ただ、深海の醜い魚は人魚姫の清い歌を、蒼海から降る音を聴くだけ。

人魚の心を奪えるのならどれだけいいか。そんな男やめて、自分に振り向いて、と言えたなら。そして、彼女が目覚めてくれたら。どれだけ。


「(ま、不可能なんだけどさ。)」

つくづく自分の現実主義が嫌になってくる。今日も人魚は陸近くで歌を紡ぐ。自分は近づけないから深い深い海の底で降り注ぐ音を聴く。それだけでもこんなに幸せな気持ちになる。そして、その幸せと共に顔を出す不相応な願い。


「そうね、確かに王子様は一人で十分だわ。」
聞こえることのない声が聞こえて、急いで上を見れば、願っても届かない、彼女。
「女の子なら一度は王子様が迎えに来てくれることを夢見る…ただ、その王子様は何処の誰かって言うのは人それぞれかしら。深海に隠れる王子様が居たっておかしくないわ。」
「セオリー通りに行った方が幸せに成れるんじゃないかな。」
「幸せなんて自分で決めるもの。結婚して『めでたしめでたし』ってなったとしても、その後が幸せかどうかなんて、本の続きは教えてくれないじゃない。」
「そうだけど。」
「ね?」
若干の納得にも笑顔を見せる彼女はやはり美しい。

「王子様なら自分の手で掴むわ!そんな女、お姫様失格かしら…?」
「冗談。」
君に近づいても良いだろうか。こんな僕が。
ふと見れば、あと少しの距離で君の隣へ行けることに気づいた。
こんなに近かったなんて。


音が降る
降って降って降り積もって、僕は君の側へ押し上げられる。

さあ、震える足で、あと一掻き。

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やっぱり泡潮いいですよね!泡潮マジで好きです!
友人がNCP好きなのも相まってこれは友人にも送ってみました。一回SS書いて(もちろんNCP)駄目だしされた過去がよみがえるっ…!!!

次はお題別にしてまた泡潮書くかもしれないです。感情に押し上げられたものになります。私情コミコミな…。

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