11.21.21:43
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02.02.22:29
電子画像で繋がるぼくらは
予告通り思いっきりマイナーです。
10のチル×2の光文です。
「入るぞー」
緑に囲まれながら、適度に木漏れ日が差し込む場所。訪問を伝えれば、奥から主がやってくる。
「フラッシュ兄さん、いらっしゃい。」
笑顔で迎えてくれるのは末弟だ。
「えーっと、なんだったっけな、ウッドが今朝言ってたやつ。」
「うん、紫陽花のことだね!こっちだよ!」
森の管理をしているウッドが今朝とても嬉しそうに話してくれた花のこと。未だ喜びは冷めないようで、弟は珍しく饒舌に語る。今年は異常気象だったから生育がいつもよりうまくいかず、とても心配だった。自分の技量がないから咲いてくれないかもと思い、悲しかった。花を育てるのが上手な友人にたくさんアドバイスをもらって精一杯お世話したら花が咲いた、本当に嬉しくて!と終始笑顔だ。
「あっ、着いたよ!ほら!」
ウッドの指差す方には鮮やかな色の花を咲かせる紫陽花。
「すげぇな、ウッド」
「友達が親身に色々教えてくれたんだよ。技術がすごくって…!でも本当によかった、異常気象に負けないでくれて。」
「…本当だな。」
機械にとって今立っている惑星の環境などどうでもいいこと。どんな環境にも耐えられるボディにしてしまえばいいのだから。そう思っていたが。
「あっ、兄さん写真撮りたかったんでしょ?」
「いけね、目的忘れてた。撮らしてもらうな。…あれ?」
「どうしたの?」
色。
前見たものは青色だったはず。
「紫陽花って青じゃねぇの?」
「土の酸度で変わるよ。酸性が強いと青、アルカリ性が強いと赤い花になるんだ。前までは青ばっかりだったけど、最近環境がよくなってるでしょ?だから土の酸度も少なくなって赤に近づいているんだって。」
ちょっとだけどね、と付け足される。
近年、環境保護のためのロボットが多く製作され、そのお陰で地球環境は少々改善されている。
「じゃあ、綺麗に撮らないとな!」
「うん!あの、良ければデータ欲しいな。」
「当たり前だ!あ、そういえば水を綺麗にする水草が、」
兄さん、と言う弟の声に言葉が途切れる。
「兄さんって最近さ、地球環境に詳しいよね。」
え、と言う間もなくふふ、と笑うウッドに気恥ずかしくて焦る自分がいた。
コアがやけに煩いのはきっと気のせい。
極寒の地で調査を終えて基地へ戻れば、メールの着信に気づく。嬉しくて急いでパソコンに駆け寄る。
いつものように仕事を労う言葉、毎日の話。
そして、緑の写真。
環境保全の任務、南極の調査。少しでも今の状態を知って欲しくてインターネットで写真を公開した。写真を公開し続けて、南極、環境のことを理解してくれる人も増えたある日に呟いた
「緑を見たい」
の一言。然り気無く書いたそれに気づいてくれて、森の写真を送ってくれたのがはじまり。それから写真を交換したり、お互いの話をしたり。
いつの間にか、そのやり取りが楽しくなって。写真を撮るのも、まず真っ先に彼に見せたいという思いが強くなって。相手のことは本当に最低限しか知らない。ロボットで兄弟が多くいること。写真撮影が好きなこと。顔も見たことがない、声も聴いたことがない。でも、心から大切な相手と思える。
そう思うことは愚かなことだろうか。こんな単純な理由で。それでも。
『この写真を撮りながら話していたら、弟に環境に詳しくなった、と言われてびっくりした…俺もいつの間にかしっかり教え込まれていたんだな!』
そんな内容と共に送られた写真。そこには紫色の紫陽花。
『紫陽花って土の酸度で色が変わるらしい。酸性は青、アルカリ性は赤。前は青ばかりだったけど、今日見たのは紫だ。環境少しは良くなってるよな。大変だと思うが、成果は出てる。負けるな!』
きっと精一杯の励まし。嬉しくて、嬉しくて仕方がない。ずっと紫陽花の花を見ていれば通信が入る。調査の時間だ。急いでパソコンを操作して出掛ける準備をする。
「次の調査って…あれ?」
部屋に入ってきた同期がパソコンをちらっと見る。
「デスクトップの花綺麗だな。どうした?」
「ああ。…大切な贈り物、かな。」
笑いながら、パソコンをシャットダウンする。この調査が終わったらメールの返信をしよう。何を書こうかな、写真のお礼と、動物の写真と、オーロラの写真と、同期がドジした話とか空の話とか。
こんな酷な土地でも、幸せと思える自分は恵まれている。
「よし、調査早く終わらせよう!」
「今日はいつも以上に張り切ってんなー。」
まあね!と自分らしくなく笑い、走る。この気持ちは幸せで、これが一生続けばいいと思う。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ロックマン10と2のクロスオーバーです。なんかもう本当マイナーですいません。
でもチルの設定見たときに絶対このCP来るだろ!!って思ってました。もしかしたら何番煎じかわかりません。
お互い写真関連で仲良くなっちゃえばいいよ!!と叫んでおきます。
チルの略称とか(凍結?フリーズがいるしなあ…)性格とかまだあやふやですが、それでも書いちゃいました…希望としては基本大人しい子でロボエンザのときはヤンデレであってほしいです。多分その方向で行くと思われます。
10の皆の文も近々書きたいなあと思っております!!
10のチル×2の光文です。
「入るぞー」
緑に囲まれながら、適度に木漏れ日が差し込む場所。訪問を伝えれば、奥から主がやってくる。
「フラッシュ兄さん、いらっしゃい。」
笑顔で迎えてくれるのは末弟だ。
「えーっと、なんだったっけな、ウッドが今朝言ってたやつ。」
「うん、紫陽花のことだね!こっちだよ!」
森の管理をしているウッドが今朝とても嬉しそうに話してくれた花のこと。未だ喜びは冷めないようで、弟は珍しく饒舌に語る。今年は異常気象だったから生育がいつもよりうまくいかず、とても心配だった。自分の技量がないから咲いてくれないかもと思い、悲しかった。花を育てるのが上手な友人にたくさんアドバイスをもらって精一杯お世話したら花が咲いた、本当に嬉しくて!と終始笑顔だ。
「あっ、着いたよ!ほら!」
ウッドの指差す方には鮮やかな色の花を咲かせる紫陽花。
「すげぇな、ウッド」
「友達が親身に色々教えてくれたんだよ。技術がすごくって…!でも本当によかった、異常気象に負けないでくれて。」
「…本当だな。」
機械にとって今立っている惑星の環境などどうでもいいこと。どんな環境にも耐えられるボディにしてしまえばいいのだから。そう思っていたが。
「あっ、兄さん写真撮りたかったんでしょ?」
「いけね、目的忘れてた。撮らしてもらうな。…あれ?」
「どうしたの?」
色。
前見たものは青色だったはず。
「紫陽花って青じゃねぇの?」
「土の酸度で変わるよ。酸性が強いと青、アルカリ性が強いと赤い花になるんだ。前までは青ばっかりだったけど、最近環境がよくなってるでしょ?だから土の酸度も少なくなって赤に近づいているんだって。」
ちょっとだけどね、と付け足される。
近年、環境保護のためのロボットが多く製作され、そのお陰で地球環境は少々改善されている。
「じゃあ、綺麗に撮らないとな!」
「うん!あの、良ければデータ欲しいな。」
「当たり前だ!あ、そういえば水を綺麗にする水草が、」
兄さん、と言う弟の声に言葉が途切れる。
「兄さんって最近さ、地球環境に詳しいよね。」
え、と言う間もなくふふ、と笑うウッドに気恥ずかしくて焦る自分がいた。
コアがやけに煩いのはきっと気のせい。
極寒の地で調査を終えて基地へ戻れば、メールの着信に気づく。嬉しくて急いでパソコンに駆け寄る。
いつものように仕事を労う言葉、毎日の話。
そして、緑の写真。
環境保全の任務、南極の調査。少しでも今の状態を知って欲しくてインターネットで写真を公開した。写真を公開し続けて、南極、環境のことを理解してくれる人も増えたある日に呟いた
「緑を見たい」
の一言。然り気無く書いたそれに気づいてくれて、森の写真を送ってくれたのがはじまり。それから写真を交換したり、お互いの話をしたり。
いつの間にか、そのやり取りが楽しくなって。写真を撮るのも、まず真っ先に彼に見せたいという思いが強くなって。相手のことは本当に最低限しか知らない。ロボットで兄弟が多くいること。写真撮影が好きなこと。顔も見たことがない、声も聴いたことがない。でも、心から大切な相手と思える。
そう思うことは愚かなことだろうか。こんな単純な理由で。それでも。
『この写真を撮りながら話していたら、弟に環境に詳しくなった、と言われてびっくりした…俺もいつの間にかしっかり教え込まれていたんだな!』
そんな内容と共に送られた写真。そこには紫色の紫陽花。
『紫陽花って土の酸度で色が変わるらしい。酸性は青、アルカリ性は赤。前は青ばかりだったけど、今日見たのは紫だ。環境少しは良くなってるよな。大変だと思うが、成果は出てる。負けるな!』
きっと精一杯の励まし。嬉しくて、嬉しくて仕方がない。ずっと紫陽花の花を見ていれば通信が入る。調査の時間だ。急いでパソコンを操作して出掛ける準備をする。
「次の調査って…あれ?」
部屋に入ってきた同期がパソコンをちらっと見る。
「デスクトップの花綺麗だな。どうした?」
「ああ。…大切な贈り物、かな。」
笑いながら、パソコンをシャットダウンする。この調査が終わったらメールの返信をしよう。何を書こうかな、写真のお礼と、動物の写真と、オーロラの写真と、同期がドジした話とか空の話とか。
こんな酷な土地でも、幸せと思える自分は恵まれている。
「よし、調査早く終わらせよう!」
「今日はいつも以上に張り切ってんなー。」
まあね!と自分らしくなく笑い、走る。この気持ちは幸せで、これが一生続けばいいと思う。
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ロックマン10と2のクロスオーバーです。なんかもう本当マイナーですいません。
でもチルの設定見たときに絶対このCP来るだろ!!って思ってました。もしかしたら何番煎じかわかりません。
お互い写真関連で仲良くなっちゃえばいいよ!!と叫んでおきます。
チルの略称とか(凍結?フリーズがいるしなあ…)性格とかまだあやふやですが、それでも書いちゃいました…希望としては基本大人しい子でロボエンザのときはヤンデレであってほしいです。多分その方向で行くと思われます。
10の皆の文も近々書きたいなあと思っております!!
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